作品集としての『ひとひらの花びら』の原曲達が生まれたのは20年前。世紀の終わりと始まり の時期に、夢と不安が交差する試行錯誤の若き日々の心の結晶として生まれた作品達です。そのま ま何かやり残した気持ちがずっとしていたのですが、今回、周囲の人々とのつながりの中で合唱 曲集が出来、また録音プロジェクトが立ち上がるなど、感動的な奇跡が起きています。
合唱曲集を作るきっかけは、某出版の編集長にお会いした時に、『虹の玻璃』のよう な曲が10曲できたら良いのでは、というアドバイスをいただいていたことです。そのことを覚え ていて、今年の正月に、夫である寺島悦恩に話したところ、3日間でこの10曲に歌詞をつけて くれました。灯台下暗し。そのことがきっかけになって、この合唱曲集が生まれました。
ところが今度は、どんな曲かわかるような音源デモが必要、ということがわかり、さて、プロ の合唱団にお願いするのは資金も必要なので、思案の挙句、録音に協力してくれる歌い手たちを探 しましたところ、あけぼのホールの仲間たちや、尚美学園大学の学生や卒業生の有志が集まってく れました。録音も本格的なエンジニア希望の学生 OBと一緒にデモ製作することになりました。
広がりへの直接のきっかけになったのは、昨年の合唱祭のステージでの『虹の玻璃』(2部合 唱版・デモ音源に収録)。シニア達と子供達が一緒に歌い、バレエともコラボレーション。 この『虹の玻璃』は、3.11を予言しているのですが、地球を美しく甦らそうという環境へのメッ セージは、合唱を通じて、今後、さらに色々な機会に伝えていける可能性を感じました。
タイトルでもある『ひとひらの花びら』という曲のテーマは「卒業」と「旅立ち」です。親しい 友人達との別れはつらいけれど、新しい生活の始まりへの期待といつか笑顔で再会しようという 決意を込めて、卒業へのエールを送り、皆とつながる歌として合唱していただけたらと思います。 また人生の様々な別れの場面にも、心からのエールを込めて歌っていただけたらと思います。
女声合唱曲集『ひとひらの花びら』 (作詞寺島悦恩 作曲小林範子) 1 誕生のアリア 2 アウローラ 3 虹の玻璃 4 夏の夕べの星に 5 ひとひらの花びら 6 オリーブの丘を 7 我が友カンパネッラよ 8 JOY-豊穣のうた